日々の寄り道

俺の人生のひとりごと集

続・味噌汁

時計の針はだいたい18時を指している、バイトの休憩に入る頃合だ。
俺はドアノブをひねり中へ入り、左側に目をやった。


するとそこにたたずむのは、例の味噌汁セットである。


前にも記したとおり、
俺はタダで飲めてしまうこの味噌汁に強い警戒心と疑念を抱いていた。
しかし、それはただの誤解だったのだ。


俺はこなれた手つきで味噌汁を作る用意を始めた。
するとそこに見慣れない顔をみた。


あぶら揚げ入り味噌汁である。


俺は一瞬時間が止まったかのような衝撃は別に受けなかった。
しかし、まさか新作が入荷しているとは思わなかった。
今まではマルコメのわかめ入り味噌汁だけだったではないか。


俺は早速あぶら揚げ味噌汁を紙コップにセットし、
湯を注いで飲もうとしたそのとき、


「せんべいいる?」


と声が聞こえた。
振り返るとそこにはパートのおばさんがせんべいを手に持ちたたずんでいた。


「ああ、いただきます」


と俺は返した。


正直ラッキーだと思った。
新作の味噌汁だけではなくせんべいまでついてきた。
今日は間食運に恵まれていると思った。


俺が味噌汁を飲みつつ、
せんべいを食っていつもより豪勢な休憩を過ごしていると、
パートのおばさんがまたせんべいを催促してきた。


そんなにもらってしまっていいんですかと思ったが、
せっかく勧められたならもらうべきだ。


「ありがとうございます」


と言い、せんべいを食い始めると、


「ちなみにこれ100円だったんだ、賞味期限切れてて」


と言われた。




さすがに吹いた。