今回はJ Dillaの「Donuts」について。
- アーティスト: J Dilla
- 出版社/メーカー: Stones Throw
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: CD
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本作は一応、ヒップホップとされているけどかなり不思議な感触の作品。サンプリングを用いて、元ネタである曲を再構成して1分くらいの曲に仕上げてある。
アルバムは30曲以上で構成されていて、曲間がないので次々に場面が流れていく。またサンプリングとはいえボーカルのある曲も結構ある。泥臭さの中にもきらびやかで、どこか懐かしいような美しさがある。
1分くらいの曲、とはいえリフのような構成になっていて、フレーズを繰り返して展開する曲が多い。長さはすごく短いけど、ちゃんと聴きどころはあると思う。特に「Time」はアルバムの白眉と言っていい出来で、1分半の間になんともいえない感傷が詰まっている。
他にもソウル風の「Stop!」、途中からのピアノリフが印象的な「Mash」、ポップながらアルバムの終盤を感じさせ、繰り返される"Love You"のフレーズが耳に残る「U-Luv」などが僕が気に入っている曲。
ごく短い曲が連続して展開される刹那的な美しさのある本作。ヒップホップに明るくない人でも、インストがやジャズなんかが聴ける方にはお勧めできるかもしれない。
なおこの作品がリリースされてから3日後にJ Dillaは他界してしまう。彼は病床でもトラックを作りづつけていたらしい。ただそういった背景抜きにしても、なんとも言えない美しさを感じる名盤です。
ここまで印象的ば1分半もなかなかないのでは。
timeの元ネタはこの曲。聴き比べも楽しい。